1.魚の誕生年を知る方法
魚にも、誕生年があり、年齢もある。しかし、魚に年齢をたずねるわけにはいかないので、何らかの方法で調べることが必要になってくる。その方法として、ウロコ、耳石、脊椎骨による測定法が知られている。

たいていの魚は、幼いころにはウロコがないが、成長するにしたがって、ウロコができてくる。 その後は、ウロコの数が増えるかわりに、ウロコに輪のようなものができることで大きくなっていく。

その輪は「環線」と呼ばれ、暖期には間隔が粗く、寒期には間隔が密になるという特徴がある。その樹木の年輪のような様子を調べると、魚の年齢がわかるというわけである。

ただし、環線を識別するのはとても難しく、現実にはおよその目安がわかる程度だという。 また、ニシンは年に2回も環線ができるし、アユは同年魚でも環線の数が違って、年齢と一致しない。さらに、ウロコのないナマズ類やサメ類は、この方法では年齢はわからない。

そこで、内耳にできた炭酸カルシウムなどの物質(耳石)が沈着する度合いを調べることでも、魚の年齢は調べられている


魚の耳の中の話なので、電子顕微鏡が必要になるが、現在、研究者はこの方法でさらに、ウロコがなく、耳石の沈着の弱いサメ類は、脊椎骨で調べられている。 脊椎骨には「輪紋」と呼ばれる年輪のようなものがあるので、その数量を測定することで年齢を調べるわけだ。

2.絶対に触ってはいけない魚がある
海には絶対に触ってはいけない魚がいます。たとえば、よく釣れる魚では、オコゼ、ハオコゼ、ミノカサゴがあります。このような魚には毒があるので、絶対に触らないようにすること。

オコゼに刺されると、ガツンと、指を切られたみたいな痛みがあります。大の大人が泣き叫ぶほどの痛みなんですから、十分気をつけましょう。

このほかゴンズイにも猛毒があります。ウツボ、ムツには鋭い歯があるし、フグは煮ても焼いても消えない猛毒を持っていますから、素人は絶対に料理してはいけません。くらげのカツオノエボシにも注意が必要です。紫できれいだけれど、触るとビリビリときて痛みます。

とにかく、見たことのない魚には触らないようにしましょう。弱い魚、小さい魚ほど毒を持っているんです。

魚の正しいつかみ方
アジをつかもうとしてケガをすることがあるなんて、信じられないかもしれませんが、本当にありますから注意してください。魚の背びれ、胸ビレにはトゲがあるので、刺さるんです。

ブラックバスは口の中に手を入れて下顎を持つと書きました。ところが海の魚でその持ち方をすると、えらいことになりますよ。パクンとやられる。ヒラメなんかまるでニッパーのような歯を持っているんです。

だから絶対に海の魚の口に手を入れてはいけない。というわけで体を持つわけですが、後ろから持とうとすると、背びれがもろに刺さります。

背びれというのは、泳ぐときは後ろにしまいこんでいるんですが、怒ると、ピョンとヤマアラシのように立つんです。だから前の方から、魚の目を隠しながら背びれを倒すようにして持つようにします。魚は目を隠すと静かになります。

もう一つの方法は、エラぶたを上から押さえるようにして持つこと。エラは魚の急所なので、そこを押さえるとおとなしくなります。どこかのホテルのCMのように、抱え込もうとすると魚が暴れるので、注意すること。

3.海の魚と川の魚の違い
土佐の海で一本釣りしたカツオを、滋賀県の琵琶湖に放せば、ほどなく死んでしまう。これは、海水魚は海だけに、淡水魚は淡水だけにしか適応できないからで、反対に、琵琶湖のフナを土佐の桂浜で放しても、ほどなく死んでしまう。 では、海水魚と淡水魚の体の仕組みは、どのように違っているのだろうか?

いちばん大きな違いは、体内の水分量やイオン濃度の調整法である。 そもそも、海水には、ナトリウムイオンや塩素イオン、マグネシウムイオン、カリウムイオンなど、さまざまなイオンが溶け込んでいる。淡水にも、さまざまなイオンが溶け込んでいるが、その濃度は海水の1000分の1程度だ。

それに対して、海水魚、淡水魚とも、体内に含まれるイオン濃度は、海水の3分の1程度となっている。 そのため、海水魚の場合、体内のイオン濃度が海水の濃度より低いので、海で生活していると、体内の水分がどんどん出てしまう。

すると、脱水状態になったり、イオン濃度が濃くなりすぎるので、それを避けるため、大量の水を飲んで、イオンをたくさん含んだ濃い尿をほんの少しだけ出している。

また、エラにある特殊な細胞からイオンを排出することで、自分に合ったイオン濃度を保つようになっている。 いっぽう、淡水魚は、海水魚とは反対に、体内のイオン濃度のほうが淡水よりも高いので、水分が体内にどんどん入ってきて、水ぶくれになる恐れがある。

そのため、水をあまり飲まないようにしているが、エラなどから入った水分で、体液のイオン濃度が低くなってしまう。そこで、腎臓や膀肌でイオンを再吸収し、イオンを少量しか含まない薄い尿を大量に出す仕組みになっている。

海水魚と淡水魚では、このように体の仕組みが違うので、カツオを湖に放すと水ぶくれになり、フナを海に放すと脱水症状となって死んでしまうのである。
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