リールの構造や道具の種類

1.リールの構造別種類

サオよりも兼用範囲の広いリールだが、やはり、用途にふさわしいタイプを選びたい。

構造の違いによって、 リールはスピニングリール、両軸リール(マルチプライヤーともいう)、片軸リールの3つに分けられる

特徴的なのは、イトが引っ張られてもすぐに切れないよう、設定した強さよりも強くイトが引かれた場合に、スプールが空転して自然とイトが出るドラグという機構である。これがあるかないか、どこについているか、ほかの仕組みになっているかなどで分類される

スピニングリールが中心
ソルトルアーではスピニングリールを主体に使用する。ベイトタイプでも構わないのだが、軽いルアーを投げにくいうえバックラッシュしやすい、リーリングスピードが遅いなどの理由からどうしても敬遠されがちだ。

リールは軽いほうが疲れなくていいが、実際にはロッドとのバランスを考えて大きさを決めることになる。目安としては、自分が使いたいラインが150m以上巻けるものを選ぶようにする。また、海で使うことを考えると、ボディはサビにくく、キズが付きにくい頑丈な物が必要だ。

そして大事なのは、細いラインを使うことが多いので、ラインのスベリがいいボールベアリング入りのローラーと微調整の効くドラグのある物を選ぶことだ。

価格と性能は比例
以前に比べるとリールもかなり進歩しており、逆転ガタを防止したり、リーリング時のハンドルブレを無くす機能が組み込まれた物も出ている。リール選びの考え方で重要なのはリールの価格と性能は比例関係にあるということだ。価格が高いほどドラグ性能もよくラインの扱いもスムーズである。

また、大きめのリールになるとスプールの形状も投げ釣りの遠投用リールのように円錐型をしたものがあり、キャストする時の抵抗が少なくてすむので飛距離を稼ぐことができる。

どんなリールでも、ラインを巻くときに注意したいのはラインの巻き過ぎだ。少なければ飛距離が出ないだけですむが、多過ぎるとスピニングリールでもバックラッシュのようになってしまう。


2.両軸リール、片軸リール
両軸リールは小型のものから、大型のスタードラグ式まであり、電動リールも多様な機能を搭載した新製品が、次々と出されている。

ただし、防波堤で使用するのは、サオ下ねらいの小型のものぐらい。巻き癖がつきにくく、巻き上げる力が強い。

片軸リールは、落とし込みや前打ちザオにつけるタイコ型リールに代表されるように、スプールを片軸で支えているリールである。

注意点
ついリールの種類ばかりに気をとられ、大きさのことを考えない初心者が多いけれども、それは大きな間違い。

細いサオに大きなリールではリール部分ばかりが重くなってバランスが悪く、 しかも、大きなリールに細いイトを巻くことになるので、たくさんの道糸が必要になり、絡みやすくもなって非常に無駄である。大は小を兼ねるという言葉も、ことリールには当てはまらない。サオとのバランスをよく考えて選ぼう。

一般的なバランスとしては、中小物釣りなら、3号の道糸が150m巻けるスピニングリールを基準に考えるとよいだろう。これは、防波堤釣りで最もよく使われているクラスでもある。

リールの手入れ
使用後、よく手入れしないとリールの寿命は短くなってしまう。特に海釣りでは塩分が大敵なので、充分なアフターケアを施したい。

釣行後は、真水で洗い流すのが基本。古歯ブラシを使って汚れた部分をこすり、ラインローラー部なども丹念に洗う。ただし、内部に水が侵入するのは避けたいので、バケツの水につけるようなのはダメ。汚れを取ったら、乾いた布で水分をよく拭き取り、注油して陰干しする。

なお、 リールのストップボタンは必ずオンにしておくこと。オフのまま長く放置すると、ときどきストップが掛からなくなってしまうことが少なくないからだ。これはかなり高い確率で起こるトラブルである。


ライントラブルといえば、ベイトタックルのパックラッシュがすぐに思い浮かぶ。しかし、初心者に扱いやすいはずのスピニングリールでも、ライントラブルがけっこう起きる。どんな高級なリールを使ってもそれは同じ。
リールを巻き始めるときに、ラインの状態を確認しないことがひとつの原因だ。スピニングタックルではライトリグのフリーフォールなどを多用するため、どうしてもラインスラックが出る。この状態でリールを巻き始めると、ラインがゆるく巻かれたり、螺旋状に出ていったラインが重なって巻かれたりする。これを何度か続けると、しだいにラインがからみあってしまうというわけだ。


3.リールのトラブルとコツ
ベイトタックルは、ヘビーカバーをものともしないパワーがあり、リールの巻き取り力にも優れている。パックラッシュの問題はあるが、マグネットブレーキとメカニカルブレーキの活用で、たいていは解消できる。
ベイトタックルでフィッシングを始めた人は、これらの利点の生かし方、欠点の力パーの仕方を知っているだろう。
スピニングタックルで釣りを覚えた人にとって、意外な盲点になっていることもある。利き手のロッドワークに慣れた人には、左手でのこまかいロッド操作に違和感があるだろう。
しかし、それらを含めて、ベイトリールのちょっとしたコツを紹介しておこう。

バックラッシュ
ブレーキ調整をきちんとしていても、キャスティングの初速が速すぎたりすると、パックラッシュが起きてしまう。その場合は、親指でスプールを押さえながらハンドルを2~3回回し、クラッチを切ってロッドの先端のほうに向けてラインを引き出す。これを数回繰り返して直らないようだと、その後、時間をかけてなんとか直せたとしてもラインが折れたり傷ついたりしている可能性が高い。思い切ってその部分は切り取ってしまったほうがいい

ラインを送り込む
リールのブレーキをきかせていると、フリーフォールしようとしても、ラインの出が止まってしまう、そこでルアーの沈む速度にあわせてリールからラインを引き出してやる。このとき水面近くのラインのたるみ具合をよく見ることが重要だ。

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