1.バスってどんな魚
生きて子孫を残すためにバスはエサをとる
バスは、小魚や甲穀類、両生類などの生き物をエサにしているフィッシュイーターだ。バスフィッシングではこの食性を利用している。
つまり、そのときそのフィールドでバスが何を食べているかを理解し、いかにそのエサに似た姿・形、動き方をルアーで演出できるかが重要なポイントになる。

ところがバスは、エサとは似ても似つかないものにも果敢にアタックする。
ザリガニのいない湖でもクローワームでバスが釣れたり、どんな生き物に見えているのか見当もつかないラパージグで釣れたりする。

理由のひとつには、なわばり意識がある。自分のなわばりに外敵が侵入してきたら追い払おうとする。その外敵が自分に直接攻撃をしてこなくても、エサ場が荒らされることには変わりがないからだ。産卵期には、卵や稚魚、つまり自分の子孫を守ろうという防衛本能から外敵に立ち向かう。

奇妙な音や動きに対する好奇心、急に自の前を横切ったものに対する条件反射などでもバスはルアーにアタックしてくる。手足のないバスは、口を使って、奇妙なものが何かを確認しようとするわけだ。
ただし、これら食欲以外の性質にこだわりすぎると、物事の本質を見失う。
エサをとることができなければバスは生き続けられないし、子孫を残すこともできない。エサとなる生き物を襲って食べるということはバスにとってもっとも重要な仕事だということを忘れてはならない。



2.バスの生態
バスの身体能力
フィッシュイーターらしい攻撃的な捕食行動と激しいファイトでバスはアングラーを魅了する。はでに動くプラグや、ナチュラルに漂うソフトルアーを生き物だと認識すると、その大きな口で一気にくわえ込む。いったんバイ卜すると必死で逃げようとし、左右に首を振ったり時には、パワフルなジャンプを見せてくれる。日本に生息する淡水魚の中ではナンバーワンのファイターだ。
ではバスは、どうやってエサを見つけるのか。どうしてあれだけ瞬発的な動きができるのか。どのような能力をもっているのか。
バスがもつ能力を知り、ルアーの選択や、攻略のヒントにしてほしい。

視覚
水中から水面上を見る場合は97度の広さの範囲しか認識できない。
狭いように感じられるが、光の屈折によって水面上の視野はさらに広がるので、不用意に近づくとバスは釣り人の存在に気づいてしまう。明暗のコントラストや色の遣いもよく識別する。ただし、どの色を好むかはわかっていない

嗅覚
目の前方に2対(4個)の鼻孔があり、水に溶けている物質の匂いを嗅ぎ分ける。あらかじめ匂いを練り込んだワームや、あとからワームに匂いをつけるための薬品なども市販されている

聴覚
頭部の中にある内耳で高周波の音をとらえ、体側にある側線で低周波の音を聞き分ける。
とくに側線の機能は発達していて、ワームの微妙なシェイキングで生じた水の振動をもとらえることができる。魚類は一般に人間より低い周波数の音を聞き分けることができ、とくにバスのようにウキブクロのある魚は、これを拡声器のように使って低くて小さい音でもとらえることができる

味覚
その名の通り大きい口をもっており、自分の体の2分の1以上の大きさのエサにも食いつく。味を感じる味蕾は、口の中だけでなく唇やヒレなどにもあり、甘い、辛い、酸っぱい、苦いといった区別ができる。塩味やザリガニなどの味を練り込んだワームもあり、バイトしてから吐き出すまでの時間を長くするという効果を謳っている


遊泳能力
発達したヒレをもつ。とくに尾ピレは力強く、短距離のダッシュや急激な方向転換、ジャンプなどを可能にする。背ピレや腹ビレ、尻ビレなども大きく、水中で安定した姿勢を保つのに役立っている


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