1.釣りができる温泉(北海道)
北海道は約200か所にいで湯が湧く温泉天国である。登別、洞爺、定山渓など大観光温泉、そして山奥、海辺の無人の露天風呂と、まさに温泉デパートである。

釣りも幻のイトウ、そしてオショロコマ。 海もカレイにソイ、ホッケ、チカ、まだまだいる。秘湯を楽しんで、熊を警戒しながら釣り糸をたれる。北海道はワイルドだ



ウロト温泉 知床
斜里町からオホーツクの海を楽しみながら北上すると、道路脇の断崖から流れ落ちるオシンコシンの滝が現われ、まもなくウトロに着く。

バス停から港にかけてみやげ物の店が集まっていて観光地の雰囲気だが、ここは本当は漁師町。観光化が進んだのは森繁久爾の知床旅情の歌がきっかけで、前後してボーリングに成功し、温泉が湧き出したからである。

以来、家屋100戸たらずの漁師町に温泉旅館が続々と建ち、夏は秘境ファン、冬は流氷見物の観光客で賑わうようになった。

知床半島は今でも約600頭のヒグマが棲息する秘境である。ヒグマにはめったに出合わないが、シカやキタキツネは珍しくない。
かざられた時間で知床を見るなら、ウトロ港に発着する知床観光汽船に乗るのがベスト。

港を出ると乙女の涙、カムイワッカの滝、カシュニの滝と観光ポイントが続き、岩壁にはウミウやオオセグロカモメなど海鳥のコロニーが点在する。秘境知床の大自然、半端ではない。

知床温泉といった方がとおりがいいウトロ温泉に旅館は13軒。温泉情緒はないが、収容が大きくて設備が整った宿が多く、他に民宿18軒と国民宿舎1軒、ユースが1軒ある。

釣り
釣りは観光船が発着するウトロ港が手軽。船着き場周辺と先端の灯台付近でクロガシラやスナガレイなどカレイの仲間中心にコマイやホッケが釣れる。
ウトロ市街から先の幌別へ向かうR334の途中に素堀りのトンネルがある。このトンネルの前浜はウトロきっての大物釣り場で、アブラコとカジカの大型が期待できる。


網走湖畔温泉 網走
網走といえば高倉健でおなじみの番外地・網走刑務所。重罪を犯してここに送られて来た受刑者は強制労働を強いられ、北海道開拓に重要な役割りを果たしたが、現在は刑の軽いものだけが服役し、最果ての流刑地のイメージは全くない。網走は道東の重要都市であるとともに、オホーツクの海に面した明るい観光地である。

都市型のビューポイントに大自然のフィールドがいくつもあって、観光ポイントの数と内容は北海道でも一、二である。

網走刑務所の前から市街を流れて網走港でオホーツク海とつながっているのが網走川。
市街を流れる流域は10月以降のカワガレイの釣り場として定評のあるところだが、同じ10月に遡上するサケで川があふれ、町中でサケの捕獲を見ることもできるポイントでもある。

網走川をさらに遡ると緑の森に囲まれた静かな網走湖が現れる。サロマ湖、能取湖と並ぶオホーツク3大海跡湖の1つで、湖に突き出る呼人半島つけ根には尾瀬をしのぐ水芭蕉の群落がある。

東湖畔から呼人半島の丘にかけて点在する約10軒のホテル、旅館が網走湖畔温泉。
緑豊かで静かな環境で設備もよく、他に網走簡易保養センターもある。

釣り
網走川のカワガレイは10月下旬からで、この頃は網走湖のアウトレットが狙いだが、最盛期の12月は西小学校上流の孵化場周辺がよくなる。他にアカハラやチカも釣れる。宿の前の網走湖はヘラブナ釣り場として知られるところで、網走川河回の網走港はカレイ類にコマイ、ニシン、カジカが狙える。


洞爺湖温泉 虻田町
室蘭本線洞爺駅からバスにゆられ、曲がりくねった坂道を登り切ると、突然目の前が明るく
なって洞爺湖が開ける。

湖面に中島が影を落とし、遊覧船が行き交い、遠くにエゾ富士・羊蹄山、背後に有珠山と昭和新山を背負う景色は北海道三大景観の1つ。
中島とは湖に浮かぶ大島、観音島、弁天島、鰻頭島の4つの島の総称で、大島には約100頭の野生のシカが棲息している。

周囲52km、車で湖岸を1周できるのは道内で大沼と洞爺湖の2つで、積雪期はここだけ。
湖面と接する洞爺湖温泉は登別温泉と並んで北海道を代表する温泉である。
旅館数約30軒。いずれもデラックスな造りで、湖に向かって客室をとり、旅館にはさまれてみやげ物店や飲食店が軒を並べている。

旅館、みやげ物店の数は北海道の温泉で随一。
湯量が豊富で、これは日本で第3位。洞爺湖は湖1周道路があるので釣り場の移動が楽だし、釣魚の種類も多いのでいろいろな釣りが楽しめる。

釣り
棲んでいる主な魚はヒメマス、アメマス、サクラマス、ニジマス、スチールヘッド、ウグイ、フナ、コイだが、主要魚には禁漁期間があり、また、通年遊魚可能の場所もあるので、釣行前に洞爺湖漁業組合に問い合わせる必要がある。

湖岸は全体的に足場がよく、どこからでも竿を出せる。洞爺湖温泉からなら、昭和新山の登り口にかけてが狙いで、ヒメマス、コイ、フナ、ウグイが有望。


東大沼温泉(大沼国定公園)
JR函館駅から約25km。美しい曲線の裾野を引く駒ガ岳南麓の大沼、小沼、専菜沼は大小126の島を浮かべ、昭和33年に指定された大沼国定公園の中心である。
公園は全域にわたって広葉樹におおわれ、春の新緑、秋の紅葉は湖水にとけて息をのむ美しさである。冬になると大沼と小沼を結ぶ月見橋付近にシベリアから自鳥が飛来する。

観光は毎朝8時から40分毎に運航する観光船が手軽だが、ここはスポーツ・行動派にも見逃せないフィールドで、その中心は東大沼湖畔に建つ国民宿舎ユートピア大沼。
テニスコート、パークゴルフ場、野球場、ゲートボール場、温水プールなどの施設を持ち、貸自転車も用意している。宿舎から車で20分のところにはスキー場が3つあって、スケートもOK。

麗峰駒ガ岳(1133m) には片道3時間の登山ルートもあって、途中の高山植物が魅力。
大沼、東大沼、西大沼にはホテル、旅館、ペンション、民宿が数十軒あるが、温泉を引いているのは函館大沼プリンスホテル、国民宿合ユートピア大沼、東大沼温泉郷レイクH等少ない。

釣り
昭和2年に琵琶湖からヘラブナが移殖されて以来、ヘラブナ釣り場としては全国区の人気。ポイントは大沼、小沼に散在していて、同一ポイントでコイも釣れる。
大沼にはアメマス(降海型のイワナ)も棲息していて、最近はルアーで狙う人も増えた。

狙いは各インレットで、特に春先きがベスト。
他にマブナ、ウダイ、ワカサギもいて、いろいろなパターンの釣りが楽しめる。


湯ノ川温泉 函館
湯ノ川温泉は北海道では最も古く、発見されたのは約300年前の承応3年(1654)というのだから、江戸時代から開けた温泉である。

函館駅から約6kmの松倉川河口を中心に近代的なホテルや旅館80軒が民家に混ざって建ち並び、夜は宿の灯が川面にゆれて湯の町情緒十分。
特にイカ漁が最盛期の夏から秋にかけては、客室の窓に映る津軽海峡の漁火が旅情をそそる。

函館は昼の観光はさておいて、夜は函館山からの夜景、朝は函館朝市が定番である。
市街最南端、津軽海峡に突き出す函館山は標高335m。ロープウェーで一気に登る山頂は約360度の展望が開け、特に夜景の美しさは息をのむばかり。
早朝5時頃から函館駅のすぐ近くで賑わいを見せるのが函館朝市である。

大小400店が2つのブロックに分かれてひしめき、海産物から野菜、肉、そして日用品まで多彩に売っている。

付近には食堂も多く、ここでのおすすめはウニ、イクラ丼。
かつては青函連絡船が発着していた函館港はバスや市電も通じて交通の便がよく、釣魚の種類も多彩なうれしい釣り場。

釣り
青函フェリーが発着する北埠頭は先端付近がポイント。
カレイ、ソイ、アプラコ、ボラ、アカハラ等釣魚の種類が多く、秋口にはチカも釣れる。

また、夜釣りのスズキは一発大型がある。
中央埠頭も人気の釣り場で、主な釣魚はカレイ、アカハラ、アプラコ、ソイ。ここではのんびりとウキ釣りでウミタナゴを狙うのも楽しい。


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