1.有毒な魚・危険な魚
フグは調理しない
危険な魚には、魚の体内に毒をもった体内毒魚と、背ビレなどに毒腺をもち、うっかりさわったり、つかんだりするとひどい痛みに襲われる魚がいます。

体内毒魚の代表格は、なんといってもフグでしょう。クサフグ、ショウサイ、赤目、キタマクラなどがあり、その数は数十種におよびます。

フグ類は毒性が強く、テトロドトキシンという猛毒は人間が食べると中毒をおこし、最悪の場合は死に至る恐ろしい毒です。フグの毒性は、その魚が新鮮であろうがなかろうが関係なく猛烈で、また加熱すればよいというわけでもありません。


ヒレ毒魚
ヒレに鋭い毒バリがある魚もいます。堤防でよく釣れてしまう危ない魚をいくつかあげてみましょう。

オコゼ
ヒメオコゼ、ハオコゼ、オニオコゼが沿岸に多いオコゼで、とくにハオコゼはよく釣れます。
ハオコゼは成魚でも小さい魚なのがくせもので、甘くみるとそれこそ痛い目にあいます。一見カサゴの小型に似ていて、昼夜を問わずハリにかかる厄介な魚です。

たとえその魚が死んでいても、毒針の毒は消えず、踏んだり、強くつかむとたいへんです。
このように、うっかりさわれない危険魚がもし釣れてしまったら、ハリスを切って海に捨ててください。堤防上に放置すると、それを知らずにさわった人に二次災害がおきます。

ゴンズイ
夜釣りで圧倒的によく掛かる危険魚です。浅い岩礁のくぼみに、ゴンズイ玉と呼ばれるくらいの群れを作り、よく釣れます。ナマズに似てヒゲがあり、ギギ(川魚)ともそっくりです。濁りどきはとくに沿岸近くにくるので、釣れる可能性が高くなるのも特徴です。
体色は褐色で、黄色の縦帯が2本入っていて、背ビレと胸ビレの鋭いトゲに毒があります。
強い毒性があるので、十分に注意してください。

アイゴ
めったに釣れない魚ですが、秋の釣りには注意しましょう。扁平で枯葉色をしています。
背ビレ、胸ビレ、尾ビレのいずれにも毒のある鋭いトゲがあります。

ミノカサゴ
まれにしか釣れませんが、美しいシマのある淡褐色で、頭部と背ビレに毒針があります。

2.毒はないけど危険な魚
ウツボ
不気味な姿と凶暴性のために、釣りで一番の嫌われものがこのウツボです。岩礁にすむので磯釣りではよくハリ掛かりする魚ですが、油断はできません。釣り糸にからんだり、鋭い歯のある口で噛みつこうとします。噛まれると大けがをするので、取り扱いは慎重にしましょう。

ウツボのような攻撃性のある魚以外にも、背ビレ、歯、エラなどが鋭く、ハリをはずそうとするときに噛まれたり、刺されたり、切ったりする魚(クロダイ、カサゴなど)もいます。

3.予防・応急処置
夜釣りではとくに、見たことのない魚などは、わしづかみにはしないようにしましょう。
タオルで魚をおさえ、ペンチでハリをはずします。
万一刺されたときにアンモニア水を塗ると、とても効果があります。

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