キャスティングの基本テクニック

キャスティングテクニックをマスターしよう!
1.キャスティングの基本
キャスティングとは仕掛け、ルアー・フライなどを狙ったところに投げることです。

ルアーフィッシングでは、キャスティングのテクニックをしっかりマスターすることが求められます。いくらバランスがとれたロッドやリール、ライン、ルアーとタックルをそろえたところで、正確にキャストができなければ、思いどおりの釣果は望めません

キャストは、飛距離も大切ですが、ねらったポイントへ正確にルアーを投げることのほうがもっと重要です。

思いどおりにタックルをあやつって、自在にキャスティングができるようになるためには、基本をしっかりふまえ、実際に練習を重ねながらマスターしていくしか方法はありません。

立ち位置の確認をしよう
投げる前に周囲が安全なところかを確認する必要があります。人や電線などないことを確認しましょう。
足場が悪い所・滑りやすい所でのキャストは避けるべきです。
魚がかかった後のことも考慮して立ち位置を決めましょう。


ベイトリールのブレーキ調節
ベイトリールは、キャスティング前に必ずメカニカルブレーキの調節を行なうこと。
方法は、まずブレーキレバーを目いっぱいに締めておき、ルアーをセットする。次にブレーキを少しずつゆるめて、ルアーがその重さでゆっくりと下に落ちていくように調節する。

ルアーが地面に着くと同時に、スプールの回転がストップするような調整がベストである。ルアーのウェイトが重ければきつめ、軽ければゆるめにすることになる。

2.ロッドの持ち方
ベイトの場合は人差し指をトリガーにかけ、親指をスプールにかける。
他の指でロッドを握り、サミングは親指でする。スピニングはリールの足を中指と薬指の間にはさみ、親指をロッドの真上に置く。

サミングのしかた
ベイトリールのキャスト時におこるバックラッシュはサミングで防ぐ。
サミングはスプールに置いた親指で、スプールの回転をおさえてする。
親指に力が入り過ぎても弱くてもダメ。後は経験でコツをつかむ。

3.キャスティングのスタイル
ルアーフィッシングのキャスティングスタイルは、大別すると4種類になる。
①オーバーヘッドキャスト
②サイドハンドキャスト
③フリッピング
④ピッチング


の4つである。

その中でもオーバーヘッドキャストはすべてのキャスティングの基本であり、ルアーフィッシングでは、もっとも多く使われる投げ方である。それだけに最初は、このオーバーヘッドキャストがきっちりとできるようになるまで練習することが大切。

サイドハンドキャスト、フリッピングやピッチングは、オーバーヘッドキャストの基本ができていれば、それほど難しいものではない。

オーバーヘッドキャスト
最もポピュラーで最も多用されるキャスティング方法である。
野球のオーバースロー(上手投げ)と同じなのでコントロールが確かである。特に上や後ろに障害物がないボートフィッシングでは抜群で、これなら複数のアングラーが安全にキャストできる。

ポイントに向かって肩を直角にかまえ、ふりかえることなくロッドがぶれないように振りおろす。
ロッドティップが頭上を越えて時計の1時の方向、ルアーが11時の方向にきたところでラインを放す。

最初は思ったようにうまく飛ばない。でもあせる必要はない。
失敗を重ね、練習を積んで体に覚えさせていけばいい。練習、経験を積んでいくうちにコントロールのクセがわかり、修正法もわかってくる。


(1)ベイトキャスティング
①ねらうポイントと、ロッドティッブが同じ線上になるように視線で合わせ、脇を閉めて構える。
②手首を起こしロッドを振り上げる。この時ヒジの位置は動かさず、ヒジを中心に振るような感じで。
ヒジの位置を動かさず、手首を強くスナップさせて、前方へロッドを振り下ろす。
③前方へ振り下ろしてきたロッドが11時の位置にきた時、スプールから親指を離し、ラインをリリースする。
④キャスティング後は、ロッドを10時から9時半ぐらいの位置で止めながら、飛んで行くルアーを目で追い、サミングして距離を合わせる。着水と同時にスプールの動きを完全に止める。

(2)スピニングリールを使って
①ねらうポイントとロッドティッブが一直線になるように合わせ、人差し指にラインをかけベイルを起こし、脇を閉めて構える。
②手首を起こし、ヒジを中心にロッドを頭上の2時の位置まで振り上げる。
③強く手首をスナップさせ、前方へ。
④ロッドを振り下ろす。
⑤10時の位置にロッドがきたら、ラインから人差し指を離し、ラインをリリース。
⑥キャスティング後は、飛んで行くルアーを目で追い、ロッドの位置を下げる。構造上、スピニングリールの場合、バックラッシュの心配はないので、サミングは主に飛距離をコントロールする時に用いる。

(3)ダブルハンドグリップを使って
ダブルハンドグリップのついたロッドの場合でも、右手の操作やキャストの基本に変わりはない。だが両手を使って投げるために、左手はしっかりとロッドのグリップエンドを握って、支えておくことが大切になる。

サイドハンドキャスト
野球のサイドスロー(横手投げ)に順じる横からのキャスティングである。頭上、あるいはポイントの上に本が張り出していて、オーバースローでは無理のある釣り場で、オーバースローのかわりに用いられるキャスティングだが、距離のとり方やコントロールに少し難がある。

オーバーハングのポイント以外では、オーバースローの高い軌道ではラインが押しもどされてしまう強風の時も、弾道の低いサイドハンドキャストなら風の影響もほとんど受けない。ただ、サイドハンドキャストはリリースのタイミングが実にむずかしい。

リリースが早すぎるとルアー側にそれてしまう。反対に遅いと、水面をたたく結果になる。
陸釣りの時のサイドハンドキャストは、オーバーヘッドキャストに比べて左右を大きく使うので、周囲を確かめてからキャストする。

オーバーヘッドキャスティングに比べて、キャストコントロールが難しい。ルアーをリリースするタイミングが少しでもずれると、左右にそれてしまい、ねらったポイントへルアーを落とすことが不可能になる。キャストでは、ルアーを離すタイミングに神経を集中し、繰り返し練習することだ。

①目標に正対したらロッドを水平に構えてクラッチを切り、スプールを親指で押さえる(スピニングの場合は、ベイルアームを起こして人差し指でラインを引っかける)

②ロッドが少し上に弧を描くような感じでテイクパック開始

③ロッドが後ろにしなってルアーの重みが十分乗った瞬間にフォワードキャストを開始

④フォワードキャスト時にロッドの軌跡は、ほぼ水平になるように。テイクパックで上に弧を描いたのと逆に下に弧を描くようにキャストすると山なりになり、低い弾道でルアーが飛ばない

⑤リリース。タイミングを間違えると左右に大きくブレてしまうので、まずは飛距離を気にせず、まっすぐ前方に飛ぶ練習を積む


フリッピング
主にバスフィッシングで多用されるキャスティングのテクニックに、フリッピングとピッチングがある。

フリッピングとは、通常のキャスティングではうまくねらうことが難しい、シャローのヘピーカバーにタイトについているバスや、消波ブロックのすき間をねらうカサゴ釣りの時に、ジグやワームを用いて障害物スレスレに静かに落とし込むキャスト法。

あらかじめラインをロッドと同じ長さだけ出しておき、左手でラインをたぐってロッドティップから垂れているルアーを、ロッドを振りスイングさせ加速をつけて、ポイントへ静かにルアーを送り込む。

①ルアーが前方の水中にある状態で、ラインを必要な分だけリールから引き出したらスプールを押さえて固定

②ロッドを立てるとルアーが手前に寄ってくる

③左手でラインを引くとルアーのスピードがアップ

④ルアーが手前まできたらロッドティップを下げ

⑤手首を使ってロッドティッブを跳ね上げ、ルアーが前方に飛び始めたら、それに合わせてラインを送り込む


ピッチング
一方、ピッチングは、見た感じフリッピングに近い感じのテクニックだが、シャローで水が澄んでいるため、ポイントぎりぎりまで近づけず、フリッピングで攻めることができない状況の場合、5~10メートルほど離れた場所からスポットをねらうキャスト法である。

ルアーを手で持ち、ねらうポイントへロッドティップの向きを合わせ、ロッドティップをやや下げた位置から、ルアーを前方へと、スーツと送り出す感じにキャストする。
フリッピング、ピッチングで重要なのは魚を驚かせる着水音。ルアーを水面ぎりぎりの低い軌道で飛ばして、ソフトに着水させることが大切。

①ロッドより少し短めにラインを引き出し、ルアーを持つ

②目標を確認して構えてクラッチを切って親指でスプールを押さえる(スピ二ングの場合は、ベイルアームを起こして、人差し指でラインを引っかける)

③ロッドティップを下げて、ルアーを持った手を少し後ろに引いてラインを張った状態から

④ロッドを振り上げると同時にルアーを離し、リリース。リリースのタイミングは、ルアーの弾道が山なりにならないように気をつける

⑤サミングをして飛距離を微調整。ルアーの着水寸前に強くサミングして、ソフトに落とす


フッキング
バスのアタリを感じたら、即座にロッドをあおって合わせ、バスの口に確実にフッキングさせる。ロッドをあおる方向はタテでもヨコでもかまわない。
いつバイトがあっても合わせられる角度でロッドを構え、ラインスラックはすばやく巻き取っておくことが大切だ。
力の入れ方には2パターンある。基本は、アタリと同時に力を入れ、そのまま一気にロッドをあおる方法。ただしトップウォータの場合は、おいてから合わせたほうがかいい。
じわっとロッドが重くなるアタリの場合は、少しラインを張って根がかりでないことを確認したら、大きなストロークで徐々に力を込めて合わせる。
これをスイープフッキングという。

ランディング
バスを寄せできたら、時間をかけずにすみやかにランディングすることで、バスに与えるダメージも少なくできる。
もっとも簡単なのは、一気に抜き上げてしまう方法。ただし、ボート上にドスンと落とさないように気をつける。
水面に顔を出しているバスの口に指を入れてつかむハンドランディングは、慣れないと時間がかかるし、バスが暴れたひょうしにフックを指に刺してしてしまうことが多いので、充分な練習が必要だ。
いずれの場合も、パスをつかむ前に手を水で濡らしておく。乾いている手でバスをつかむと体表のヌメリがとれ、傷ついた皮膚に力ビが生えやすくなるからだ。

ボウ&アロー
弓矢のようなキャスティングで、適当なタラシをとったルアーを片手に持って引きしぼり、ロッドの弾力を利用してルアーを飛ばすキャスト法である。どこに障害物があってもできるキャスト法である。

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