1.カンパチ・地方名/アカバナ、アカハナ、アカイオ、ハラジロ、ハナシロ、シロバラ、オオウオ、ネリ、カンパ、シオゴ、シオ(若魚)ショッコ(若魚)など
・分布/東北以南
・釣り場/磯、沖、防波堤
最近サーブではなかなか釣れなくなってきたが、20~30cmの小型ながらも強烈なファイトにファンは多い。通常サーブのカンパチはワカシーイナダと一緒に移動するようで、外道として釣れることが多いが実はちゃんとしたヒットパターンがある。
そのタックルだが、基本はイナダのサーブタックルと同じで、
10フィート前後のシーバスロッドをメインに使用する。また波の静かな場所なら7~8フィートのトラウトロッドで挑めば、小さいながらもカンパチの良いファイトを十分に堪能することができる。
ルアーはメタルジグだけを持っていけばたりるが、できるだけ細身のものを使った方が反応もいいようだ。カラーはブルー、ピンク系統に安定してヒットする傾向がある。
特徴
体形は紡鍾形でブリやヒラマサによく似ているが体高が高く、側線に沿って吻端から眼を横切って尾ビレまで鮮明な淡黄色たての縦縞が1本走っている。
体色は背部が赤みがかった灰褐色で腹部が少し赤みを帯びた銀かんばちかん白色をしている。カンパチは漢字で間八や勘八と書くがこれは、若魚の頭部を上から見て八の字形に見える暗色斑があることが名の由来。ヒラマサとの区別は上アゴ後端の形でできる。ヒラマサは角ばっており、カンパチは丸みがある。
またヒラマサは背ビレ、腹ビレ、尻ビレなどが黄色く、カンパチは暗褐色の違いがある。ブリの上アゴ後端はヒラマサに比べてさらに鋭角的に角張っており、体色が青緑色なのでカンパチと区別ができる。水深15~150mを回遊しながらイワシ、マアシなどを捕食している。ブリよりも暖かい海域を好む。
近縁種にはヒレナガカンパチ(ノガンパ、バケンカンパ、バカネリなど)がいるが、名のごとく第2背ビレ、尻ビレの前部が銅犬に長いのが特徴。体形、体色はカンパチによく似ている。カンパチよりも暖かい海域を好む。
カンパチは大型のものになると脂が強くなるのであまり刺し身には適さない。食べて美味しいのは40~50cmの中型のものがよい。刺し身、焼き、あら煮などにされるが、中にはシガテラ毒を持っている個体がいるので注意したい。
2.釣り方
カンパチは生きエサ泳がせ釣り、コマセ釣り、カッタクリ、磯・防波堤からの発泡ウキを使用した生きエサ釣り、ルアー釣りと豊富にある。
生きエサの泳がせ釣りはマアジかムロアジを使用する。エサは弱らせないように小型のものは鼻掛け、大型のものは背掛けにするとよい。仕掛けを静かに投入し、オモリが海底から3~5mを切るようにしてアタリを待つ。
カンパチが近くに来るとエサが逃げ竿先が動く、確実にエサを食べると竿先が海面に刺さるほどのアタリがあるので大きく合わせる。コアセ釣りやカッタクリ釣りはヒラマサ用を使用してもよい。
磯・防波堤からの生きエサ釣りは磯竿の4~5号に特大発泡ウキを使用し、エサは船の生きエサ釣りと同じでよい。その日の食いダナを探すのがこの釣りのポイントになる。ルアーはメタルジグの80~120gを使用する。大きくジャークしながら高速リーリングをして誘いたい。
ナブラと浮遊物が目安
釣り場はイナダと同じと考えればよく、できれば毎年回遊してくる実績のある場所で挑戦してみたい。ナブラが出ていたり、潮目に浮遊物があれば、その周辺をファーストリトリーブするだけで魚が飛びついてくる。また浮遊物の横をルアーが通過する時、鋭く小刻みにジャークさせると、ルアーにジャレつくように反応してくることがあるので試してみよう。
ジグをボトムまで沈めてからフルスピードで巻いてくる方法も有効だ。着底してから一気にリトリーブを始めると、その直後にガツンとヒットするパターンが多い。もしそのタイミングでヒットしなくても、カンパチがジグを追ってきていれば水面の直前でヒットすることもある。
タックルは2パターン
オフショアの
カンパチは外洋をポイントとする本格的な大型狙いとブイなどに付いている20~30cmの小型狙いに分けられる。
大型狙いの場合は本格的なタックルが必要だ。シイラ用のボートロッドでもいいが大型をバーチカルジギングで狙うので、10フィート前後の専用ロッドカゴ欲しいところだ。潮の速い場所が多いので当然ルアーも60~80gと大きめのものが必要となる。
それに対してブイなどでの小型狙いでは7フィート前後のトラウトタックルが釣って楽しい。カンパチのサイズが小さいポイントでは渓流用のルアーロッドでも十分なくらいだ。
ルアーもショアでメッキを狙うような感覚でセレクトすればいい。小型のジグやミノー、そしてスプーンが意外な秘密兵器となる。
潮流をどう攻略するかがカギ
大型のカンパチを狙う時は船頭が魚探の反応を見ながらタナを指示する。カンパチも船の下でいつまでもジッとしているわけではないので、船頭の合図と同時にジグを海中に投じられるように準備しておこう。
潮流が比較的速いことが多いので、投入する位置を考えないとラインが下に流されて釣りにならなくなってしまう。
ジグの重さを潮流に合わせるのも忘れずに。ジギングは一定のリズムでキッチリやること。落とし込んでいる最中にルアーをくわえることもあるので、いつでも合わせができるようにラインの動きに注意しておこう。
小型のカンパチを狙う時は船をブイなどの目標物に近付けてもらい、小型のジグやスプーンを上下に動かして誘う。
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