1.管理釣り場での餌釣リスタート
管理釣り場では、本当に初心者で釣りの道具を持っていない人でも楽しめるようになっています。ぽっと行って「お願いします」といえば竹のサオに針と糸と玉うきをくるくるっと巻いてゴムバンドでとめてあるようなものを貸してくれます。釣り堀のサオを思い浮かべればいいでしょう。

管理釣り場で餌釣りをしたいというと、そういうサオを貸してくれて、たとえば「一五番に入ってください」といわれます。

そこで一五番の看板のあるところに行くと、しばらくすると管理釣り場のおじさんがバケツにニジマスをいっぱいつめて持ってきて、バタバタしているそのニジマスを目の前の川に入れてくれます。そのときに重要なことは、「何匹放したかな」ということ1つ1つのチャレンジとして、放流された魚は全部釣ってしまいたいからです。

餌はブドウムシ、これは高級品なんやけどね、それからミミズ、バイオちゃん、生イクラなどをサオといっしょにもらいます。

ここでは、子どもでも女の人でも初心者の人でも、ポトンと入れたら魚がピュッと食べます。巻いてある糸をサオからほぐして、針にイクラを2個、できれば3個をつぶさないようにつけて、川の中に落とせば、3秒もせんうちにギュギュギュッと魚がひっぱるでしょう。

ここまでは簡単です。むずかしいのは取込みというんやけど、かかった魚を自分の手中に収めるということ。これが初めての人にはむずかしい。けどそれも考え込むほどむずかしいことじゃなくて、釣ったままそのままバックすればいいんです。そうすれば魚は地面にずるずると上がってくるんです。

それをかつおの一本釣りのように空中に釣り上げようとするから、糸が切れたりするわけ。できればサオの先を少し上げると、サオがしなって魚があばれてもクッションになる。それでそのままバックオーライすればいい。地面に上がってきたら、サオを置いて、ねこがじゃれるように魚を押さえ込めばいいんです。

2.魚がどこにいるかを学ぼう
管理釣り場では、魚の取り込み方、プレッシャーのかかったときの釣り方、それから魚がどこにいるのかを勉強しましょう。管理釣り場は、魚の定位、またはステイというのですが、魚の居場所を遊びながら学んでいくところでもあるのです。初めての人は湖でも川でもぜんぜん魚がいそうにないところで釣っていることがよくあります。

うまく釣るために川の流れの知識や魚の習性をまず学んだほうがいい。これはどんな釣りにでもいえる基本です。細かくいえばそれは季節によっても違うし、魚の種類によっても違うし、そのときの水温とか水のにごり具合でも違う。気象状況によっても違ってくるんです。

そして1回行った体験を無駄にしないこと。同じ季節、同じ条件なら魚は同じ行動をとるはずです。もし同じ行動を魚がとらなかったら何が違うのかということで二つのことがわかるんですから。水温が高いときはこう、低いときはこう、条件はいっしょだったのにこの間のところにいなかったということで、魚の動く条件にはまだほかの要素があることがわかってくる。

魚釣りというのは結局そういう分析ですね、魚をいかに追い詰めていくか、居場所をさぐっていくかということなんです。

僕は小さいころから、渓流で朝から晩まで泳いだり潜ったりして自然を友達にしていたから、ぱっと川を見たら魚がどのへんの岩陰に、どっちを向いているかがある程度わかってしまう。

自分の長年の経験でわかるんです。だけど川に潜ったことのない人、魚を釣ったことがない人は、魚がどっち向いているかわからないだろうし、ましてどこに魚が集まってるかなんてわからない。パツと脅かしたらどこに逃げるかなんてこともわからないでしょう。

そういうことを管理釣り場で体験しながら、学んではしいんです。家族の釣り場だからってなめずに、管理釣り場でも釣りの基本は同じなのだから、きちんと取り組んではしい。厳密なことをいえば、養殖のニジマスとかイワナとかは、天然のものとは集団行動の仕方が違う。そういうことを頭に入れたうえでよく観察して釣ることが大事です。


管理マス釣場活用術
街にあったり、アクセス便利なことや、気軽にアウトドア気分を楽しめることから人気が高い管理マス釣場。貸しザオなどの釣具はもちろん、バーベキュー施設やトイレなどの設備も充実。
まだ釣りをしたことがない初心者やファミリーには、打ってつけの環境といえる。

初心者にとって、なによりうれしいのが、釣具に関する荷物がいらないということ。サオのレンタルやエサの販売は、ほとんどの管理マス釣場で準備されている。釣れる魚は放流されたニジマス。人数や時間によって放流されるシステムが多く、釣れない人はまずいない。渓流釣りのトレーニングはもちろん、子供に釣りを体験させたいパパやママにもピッタリ。

便利な釣場だけに、事前に用意するものはほとんどなし。服装も普段着で大丈夫だが、寒くなったときの為に上着を忘れずに。滑りやすい岩の上を移動することもあるので、クツは動きやすく滑らないものを選ぼう。


3.エサの種類とつけ方
誰にでも釣れる管理釣場とはいえ、ハリにエサを付けなければ魚は掛からない。エサは、売店で販売されているイクラとブドウ虫を使うのがベスト。
イクラはスーパーなどで市販されているものと一緒で、ハリには潰さないようにソッと2個くらいを通す。粒の小さいものなら、3個くらいまでOKだ。

また、ブドウ虫はカブト虫の幼虫のような感じで、虫が嫌いな人にはちょっと不向き。尻の方から真っすぐハリを通すが、胴を指で押せば尻穴が開くのでハリはそこから。エサは他にも、ミミズやカワ虫などがあり、釣具店で買ったり、自給自足もできる。

釣果が上がらす、時間がたつとイクラは白くなってくるので、そんなときはエサの交換を。イクラがダメなときには、ブドウ虫にチェンジすることも必要だ。
釣れないときは、お弁当を広げたり、バーベキューを楽しみたい。

気分は川の流れのように自然な感じでエサを流す
管理釣場での貸しザオは、ほとんどがウキ釣りのしかけ。底近くに群れるニジマスの習性に合わせ、調整されているのであとは流し方しだい。各ポイントめがけてエサを投げるわけだが、自分が立っている場所より上流に投げ、流れに合わせてエサを流す。そして、自分より下流にエサが流れ、イトが張ったら、もう一度上流へ。単純だが、この作業の繰り返しが大切。

アタリはウキが沈み込むのでわかりやすく、釣れたらサオを上げてイトを寄せるだけ。とにかく簡単。放流してから30分くらいは、本当によく釣れるのだ。ただし、初心者はハリを呑み込まれることが多く、外すのは困難。そんなときはスタッフにお願いしよう。
管理釣場で渓流釣りの基礎を学んで、次にステップアップしよう。

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