1.乗合船の乗りかた
釣り船には乗合船と仕立て船がある釣り船には乗合船と仕立て船がある
乗合船とは釣り船の定期便のようなもので、個人で船釣りを楽しみたい同士が同じ船に乗り合わせる仕組みのもの。

仕立て船は貸し切りの船で、仲間同士で一般の船を借りる
というものだ。

乗合船は料金は安価なものの、人数が多くて釣りにくい場合がある。一方仕立て船は気を遣わないでいいという利点はあるが人数が少ないと割高になってしまう。また、船宿はたくさんの人を乗せようとするため、窮屈な思いをすることが多い。

仕立ては一買し切りなのである程度自由がきく。出航時間や釣りものなどもリクエストできるし、たくさんの人を来せてオマツリばかりするような不快な日にもあいにくい。しかし、料金は割高である。

2.乗合船の知識
①乗合船のタイプ
乗合船には予約の必要もなく釣具も準備されているフリー乗合船と、釣具やエサを自前で用意し、事前に予約を入れなければならない予約制乗合船がある。
フリー乗合船では、なんの準備もなく釣りを楽しむことができるが、それだけに休日などには混雑することもある。

予約制乗合船は最低でも3日前に予約する必要があるが、フリーの場合のように数時間前から順番待ちすることはない。

②乗合船の予約
釣り場と対象魚が決まったらスポーツ新聞や釣り専門誌などで、条件にあった船宿を探し最低でも3日前に予約を入れる。情報収集もかねて予約はなるべく早めに行う。この時エサや貸しザオの有無、出航時間などは必ずチェックする。

しかし、様子もわからずいきなり予約する必要はなく、まず料金と予約の状況を確認し、また確実に釣れているのかを聞いてからでいい。
状況が良ければ予約し、出船時間、仕掛け、エサの有無などを聞いておくこと。

そして、当日は出船時間の1時間前には必ず船宿に着いているべきである。早く着けばいい席を選べるし、たいていその宿の常連がいるから、そうした人たちに情報を聞くことができるからである。


3.つりを始めるまでの流れ
探す
オフショアで釣りをするとなれば当然必要になるのが船だ。船のルアーフィッシングの場合はこれが一番のクセモノで、ただヤミクモに予約すればいいというわけではない。ルアー釣りで実績を持つ船を探して乗るのがヒットを味わうための近道となる。

雑誌や新聞で探したり、プロショップのチャーター船などに乗せてもらったり、船に乗る方法は色々ある。夏のシイラ船などは乗合船まで出船している船宿もあるのでこれらの中から選択すればいいのだ。

自分の周りに仲間がいれば仲間同士で気兼ねなく楽しめる仕立船がいいし、それだけの人数がいなければ乗合船を探せばいい。また、乗合船が近くになくても、船宿に相談すればエサ釣りの船に同船させてくれることもある。


当日
出船前日は明日のことが気になってなかなか眠れないもの。しかし遅刻してしまってはなんにもならないし、他のメンバーや船宿への迷惑にもなる。初めて行く場所などは道順を事前に調べておき、途中で迷子にならないようにしておこう。

あくまでも出船時刻ではなく集合時刻に間に合わなければならないことを忘れないこと。時間が守れない人はだんだんとお誘いもかからなくなるはずだ。

また、当日船宿に到着してからは同船者や船長から前日までの様子を聞いてみる。その日のルアーセレクトや釣り方の参考になる情報を収集できるかもしれない。
それから忘れてはならないのがリールのドラグ調整だ。前回釣行の際、調整していても、必ず当日、できれば出船前に確認すること。


到着まで
魚を見つけたらすぐにキャストできるように準備しておこう。ポイントに向かって船は減速し、通常はどちらか片舷のみでキャストするように指示が出るはずだ。船長から合図が出たらミヨシから順番にキャストしていく。

みんなが勝手にどんどんキャストしていたら、魚を散らしてしまったりオマツリだらけになってしまう。船上では船長の指示に従うことが大切だ。

また、船上は狭いので事前に足元のスペースを十分に確保しておくこと。そして後方に注意し、安全を確認してからキャストすること。できれば安全のためにもアンダーハンドキャストが望ましい。自分がキャストする時だけでなく、周囲の人がキャストする時にもお互いに注意しよう。

魚を見つけたら
船のルアーの場合、まずミヨシ(船の先端)にポジションを取ったほうが有利だ。通常、船はミヨシからポイントに近づくので最初にキャストできるし、スペースがとれるためキャストもしやすい。シイラに関してはトモでもチャンスは十分あるのだが、カツオなどのように足の速い魚に関してはミヨシが絶対的に有利なのだ。

乗船者がある程度均等な条件で釣れるように船席はローテーションしよう。船長から指示される場合もあるが、多くは自分たちが率先して動かなければならない。例えばミヨシでヒットさせた人はトモよりに下がり、隣の人がミヨシに移動して魚のアシを止める。
多くの人がヒットさせやすい状況を作り出すのも船上での大切なチームワークなのだ。


チームワーク
シイラをターケットにする場合は自分たちもポイントを探さなければならない。シイラは物陰に潜む習性を持っていて潮目に浮遊するゴミやブイ、パヤオについているし、またナブラ(大きな魚に追われて小魚が跳ねている状態)や烏山(そんな小魚を狙って烏がたくさん集まってくること)なども最高のポイントになる。

エサ釣りの船では船長が魚探とにらめっこしながら合図を出すが、ルアーの場合は少しでも出会いのチャンスを多くするために乗船者全員の目で探す必要があるのだ。

また、船長にも見落としはある。気付かずに通り過ぎた場所で他のルアー船が入れ食いになったらとても悔しいはず。なにしろ魚を見つけなければ釣りにならないので真剣に探そう。仲間や船長と、誰が最初にポイントを見つけるかを競うのも楽しい。

3.仕立て船の知識
仕立て船を予約や質問事項は代表者を通して行うとトラブルが少ない。代表は最低でも―週間前に乗船人数、対象魚、エサ、必要な貸しザオの数、出航時間などを確認し予約する。また、条件の気象悪化で急な欠航も有り得るので、代表者は出発前日に必ず最後の確認をする。メンバーは時間厳守が最低のマナーである。

船の部分名称
船の各部分は先端に向かって右を右舷、左を左舷と呼び、また、先端をミヨシ、中間を胴、後端をトモと呼ぶ。

船に乗る前にこれらの部分名称は覚えておいたほうがいい。というのも、船釣りでは前もって自分が座る席は決められていることが多く、部分の名称やその意味を知っていないと、あとで困ることになるからだ。船釣りでは特に席の優劣が極端に釣果に影響してくるのである。

船には通常2mおきくらいの間隔で番号がふられていて、自分が座る場所がその番号で決められる。番号そのものは船によってちがい、決まりはないが、あとで述べるように、トモかミヨシに近いほうが比較的成績がいい傾向にある。

船酔い対策
船は波に揺れるものである。それゆえ乗りものに弱い人は船酔いを起こす。普段から乗りもの酔いをする人は、船に乗る30分前に酔い止め薬を飲んでおく。また、船酔いは睡眠不足や胃の調子が悪いと起こりやすい。暴飲暴食をさけ、腹6分くらいにしておくのが一番いい。

船は座る場所によって多少揺れ方がちがう。テコの原理で、中央の胴の間が一番揺れず、ミヨシやトモは揺れが大きい。

このため、船に弱い人は胴の間に座るべきである。しかし、胴でも機関室より後ろ側はさける。エンジンの排気ガスが煙突からもろに出て、気持ち悪くなるからだ。
船に酔わないためにはあまり近くを見ないこと、遠くの景色を見るようにし、もし酔ったら横になって寝ていること。


4.船上でのマナー
①まずは気持ちよい挨拶から
乗合船だけではなくすべての釣り場での最低のマナーだ。


②ゴミを含めた整理整頓
釣り座が決まればそこはすべて自分の場所と雑然と散らかし放題の釣り人を見かける。同乗者に不信感を与えることなく、効率よく釣りをするためにも整理整頓を心がけたい。

③体調は万全に
睡眠不足で船に乗るとほとんどの場合は船酔いする。乗合船では自己管理不十分と釣りをあきらめればすむが、仕立て船では親しい者同士だけに気を遣わせてしまうことになる

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