人気フィッシング、最近の傾向

ルアーの釣り方や道具いま、最も人気が高まってきた釣りといえば、このルアーフィッシングである。

エサ釣りに比べると、 タックルにデザイン性が感じられるし、釣りスタイルもスポーティー。そのルアー釣りが、淡水ばかりでなく、海でも脚光を浴び、かなり市民権を得てきた。

ルアーは金属やプラスチックなどでできた擬似餌で、魚や小動物の形に似せたものがある。魚がルアーに食いつく要因は、エサとまちがえることのほかに、不可解な動きをする相手に攻撃をしかけるためといわれている。

海釣りでは、ほとんどの場合エサとまちがえて食いついているようだ。海のルアーフィッシングでは、イワシやアジなどの小魚をエサにしているフィッシュイーターのすべてが対象魚となる。

ルアーの種類はスプーン、バイブレーション、トップウォーターなどのプラグや、メタルジグなどのジグ類、シュリンプ、グラブ、ワームなどのソフトベイト(ソフトルアー)類などだ。

海釣りで、もっとも人気があるのがスズキ(ルアー釣りではシーバスとよぶ)で、1mを超える獲物とのやり取りは豪快そのものだ。また最近では、ミミズの形をしたソフトルアー(ワーム)でカサゴやメバルをねらう夜釣りがはやってきている。

1.ルアー釣りをプランニングする
対象魚と釣り場を決める
情報を集めどこで何が釣れているかを確認し、潮時表などで釣行日を決める。回遊魚は情報収集が特に重要。

必要な釣り具をそろえる
対象魚に合わせたサオやリールを選ぶ。プラグやメタルジグを遠投する場合は11フィート(投げザオでも可)、近いポイントをタイトに攻める場合は9フィート程度のシーバスロッド。

ソフトルアーは7フィート前後のバスロッドを使う。リールはサオに合わせて選び、適合号数の糸を巻いておく。そのほかに必要な道具もチェックする。

仕掛けを準備する
仕掛けは単純だがビミニツイストやオルブライトノットなどは結び目に糸ズレがおきやすいので、ていねいに結ぶ。

ルアーを準備する
対象魚に合わせたルアーを選ぶ。色や大きさ
のちがうものを数種類準備する。

ルアーには、木や金属で魚の形に似せたプラグタイプ(イカ釣り用に使う餌木もふくむ)と、ミミズやカニなどの小動物に似せたソフトベイトがある。いずれも傷つき弱った生き物の動きをするもので、エサや敵と勘違いした魚が食いついてくる。

プラグ(おもに海釣りに使うものに限定)には、魚の形と動きを忠実に再現することのできるミノータイプ(餌木はプラグタイプに近い)と、ふるえるように動くバイブレーションタイプ、金属の棒に色をつけたメタルジグタイプがある。

ソフトベイトタイプには、ミミズの形をしたワーム(ソフトベイトの総称もワームという)と、ハゼの幼魚に似せたブルヘッド、エビに似せたシュリンプ、ザリガニに似せたクロー、さまざまな要素をかねそなえたグラブなどがある。ソフトベイトタイプの仕掛けはノーシンカー、キャロライナ、テキサス、ジグヘッド、スプリットショットリグがある。



防波堤からねらえる魚種も数多い
本命としてねらう魚には、スズキはもちろんのこと、カサゴ、メバル、アイナメなどもいる。スズキは海底の状態にあまり影響されないが、カサゴやメノツレ、アイナメは、岩礁地や捨て石帯、堤壁際などが好ポイント。海底が砂地なら、 ヒラメも釣れてくる。

回遊魚は、ギンガメアジ(通称、メッキ)の人気が急上昇しており、イナダ(ブリの若魚)やシイラなどもヒットする。

また、離島や外洋に面した防波堤では、カンパチ、 ヒラマサ、カツオなどの大型青物もルアーに飛びつくし、アオリイカ(バショウイカ)もおもしろいターゲットの1つである。外道扱いするには惜しいようなハタ、コノシロ、マダイ、クロダイ、タチウオ、エイなども釣れてくる。

海のルアー釣りはまだまだ完成された釣りではなく、発展途上にあるので、予想だにしなかった魚が、ルアーにヒットすることも珍しくない。

カレイやメジナ、イサキ、ムツなどもヒットした経験がある。かなり未知数の部分が大きく、不明なことも多いのである。


2.ルアーの釣り場と特徴・対象魚
水のあるところならほとんどのところでできるルアーフィッシング。
そのフィールド(釣り場)を湖、野池、河川、海と分けて紹介しよう。

自然湖と人造湖、それに標高差でちがいがある湖
檜原湖や琵琶湖など自然にできあがった湖が自然湖(ナチュラルウォーター)で、ダム建設などで人工的に作られたのが人造湖(リザーバー)である。自然湖が比較的なだらかな岸辺なのに対し、人造湖の湖岸はきりたって急深なのが特徴である。
棲息する魚はほぼ同じだが、ストラクチャー(魚の付き場になる障害物)が少し違ってくる。

湖は標高差でも少し違いがある。
ブラックバスなど暖期の魚は標高の高い湖では釣期が短いが、平地の湖では長く、ところによっては周年釣れる。
反面、トラウト(マス)類の棲み家は標高の高い湖で、平地の湖にはあまりいない。


河川の釣り場
標高が高い川の上流部ではイワナやヤマメなどの渓流魚が釣れ、ニジマスやウグイ、ところによってはブルックトラウト(カワマス)もいる。
中流のワンドや流れがゆるいところにはブラックバスもいて、河口の汽水域(淡水と海水が混ざる水域)にはスズキが入ってくる。


ソルトウォーター(海水)
海のルアーフィッシングは多彩である。カジキやマグロもルアーの対象魚だが、最初はまず身近な魚から入門する必要がある。
釣り場としてはサーフ(砂浜)もあるが、堤防から入門する方が楽だし、釣魚の種類も多い。

魚としてはシーバス(スズキ)とヒラメをねらう率が多いが、ソウダガツオやカサゴも釣りやすく、アオリイカもおもしろい。
他ではメッキ、マゴチ、シイラ、カツオ、イナダなどが釣れる。


リザーパーっていくつもの顔をもつから面白い
流れの強弱・水質・水位、そして地形が日替わりだから面白い。 リザーパーの何がおもしろいかって、たとえ同じフィールドの同じエリアに足を運んだとしても毎回毎回、新たな場所に来たような錯覚に落ち入れることで、毎度毎度フレッシュな気分で挑めます。

それはどんな意味なのか? 例えば今いる場所。急斜面を降りて川辺に着きましたけど、季節によっては満水で降りずに釣りができます。それに、今回は台風後で流れ込む水がド茶濁りですけど、本来このリザーパーはクリアウォーターなんです。

訪れる度に別の顔を見せるリザーパー。毎日のように通い込んでいるアングラーでなければ、同じ顔を二度見ることはないかも。 釣り方ももちろん変わります。1ヵ月前に来た時はクリアで、もう少し水位が高かったですね。着いて序盤は大きめのルアーに反応してくれましたけど、以降はライトリグが中心。なぜ?ごく小さな小魚を捕食する傾向があるようなんです。

岸沿いを見ると、濁りはまだ強いながらも小魚がそこかしこに見える。台風の大雨で強い流れが発生したであろうにも関わらず、彼らは元気な姿でそこにいる。今日はもれなく激濁り。ここ量近、猛暑で渇水に近い状態だったらしいんで、濁りがあってもきっとコンディションは良くなっているか、もしくは地獄。まあ、いろいろ試して答えを探していきましょう。


マニュアルの通用しないことが多い
実際、 ヒットルアーの種類や、ルアー釣りの対象魚などは、年々増えている実感がある。

スズキを例にとれば、以前は夜のルアー釣りでは、オレンジ色のルアーでなければヒットしないとか、巻き取リスピードは速すぎても遅すぎてもからないとか、いろいろいわれていた。

それが現在では、カラーや巻き取リスピードにこだわらなくても、 ヒットする時はヒットしてくることがわかっている。だから、以前はまったく食われなかったワームやバス用のルアーなどでも、 ヒット実績が出ている。これは、シーバスフィッシングをする人なら、周知の事実だ。

年を追うごとに、ルアー釣りは変化しているのである。海のルアー釣りが盛んになればなるほど、新しい発見が出てくるだろう。

だから、これまでの常識やセオリーを考慮しながらも、一方ではつねに新しい方法にチャレンジしてみて欲しいのである。この釣りには、柔軟な発想がよく似合うのだ。
若者たちに支持されているという理由も、そのあたりにあるといえる。

ロッドとリール
防波堤からのルアー釣りでは、小さめのタックルが使われており、足場が低くて平らな所では、淡水のトラウト用ロッドの7~8フィートがよい。

足場が高い所や悪い所、消波プロックなどでは、長めのロッドが使いやすい。10~ 15フィートあれば、かなり広範囲に探ることができるだろう。ただし、長いロッドはそれだけ重いから、体力も必要になる。

大型のシーバスねらいなら、専用のシーバカサゴやメバル、ギンガメアジなどの小物をねらうなら、 トラウトロッドがよく、シーバスロッドでは強すぎておもしろ味がない。

トラウトロッドでシーバスをねらっても、シーバスロッドで小物を攻めても問題はないし、これらのルアー用のロッドがない場合は、磯ザオなどを代用してもよいのだが、磯ザオで長時間、ルアーを振りつづけるのは、体力的に難しいものがある。

リールはドラグのしっかりしたスピニングリールが使いやすい。両軸タイプのベイトキャスティングリールを使う人もいるが、初心者にはあまりすすめられない。大きさは、小物ねらいなら、 3号のライン(道糸)が150m巻けるサイズでよい。シーバスなどの大物をねらう時は、足場のよい防波堤ならこのサイズでもよいが、ひと回り大きなスピニングリールにしたほうが安心。

3.ラインとルアー
ラインは、 8~ 14LB(約2~ 4号)が最もよく使われる大さで、消波プロックなど障害物が多い所では太めに、そうでなければ細めとする。ギンガメアジなどの小物ねらいでは、 4~ 8 LB(約1~ 2号)ぐらいを使うこともある。

ルアーはミノープラグ、スプーン、メタルジグ、グラブ、ワーム、 トップウォーター、バイブレーションなど、多彩な中から、ねらう魚種にあわせて選ぶ。大きさやカラーなど、ある程度の種類をそろえておくほうがよい。

水条のない所や隠れ根などが多い所、消波プロック帯などでは、根掛かりなどでルアーの消耗が激しくなることを予想して、予備を多めに持っていきたい。

ほかに必要なものは、夜釣り用のキャップライトやフレキシブルライト、釣り上げた時に使うハンドギャフ、なければ大枠の玉網など。玉網はルアーのフックが絡みやすいので、取り込みには充分注意したい。

服装面では、滑りやすい場所ではスパイクシューズ、夜釣りではライフジャケット。場所によってはハンドランディングもありうるので、釣り用手袋をしていたほうがよい。
ほかの釣りに比べて荷物はかなり少ないので、すべてを身につけて釣り歩くことは、十分に可能である。

キャスティング
ルアー釣りのキャスティングも、投げつりと基本的には同じである。
オーバーヘッドキャスティングルアー用のロッドは、シングルハンドとダスロッドが無難。ダブルハンドタイプがよい。ブルハンドに分けられる。

シングルハンドでは、片手でルアーをキャストし、ダブルハンドは両手でロッドを持って、利き腕でロッドを押し出しながら、 もう一方の腕を引きつけるようにする。
どちらも、 ラインを放すタイミングで、飛距離がかなり違ってくる。

障害物が多ければ、飛距離はあまり出せないが、コントロール重視のサイドキャストがよい。狭い場所ではボウアンドアロウキャストを使う。これは、周囲に人が多かったり、右も左も背後もサオが振りにくい所や、船上などでも使えるキャスティングなので、ぜひマスターしておきたい。

ルアーのカラー
ルアーのカラーリングには、赤や黄色といった原色に近いものから、小魚にそっくりなリアルなもの、キラキラと光沢の強い色のものまで、さまざまなものがある。

しかし、このように多彩なバリエーションのルアーカラーも、大きくは2つのカラーリングに分類することができる。派手な色のアピールカラーと、地味な色や自然界の生物に近い色のナチュラルカラーである。

カラーセレクトの基準
ルアーのカラーを使いわける基準となるのは、水色や天候、時間帯、そしてねらう対象魚が現在、エサとしているものなどである


水色、水質によって
水が澄んでいる釣り場などでは、カラーが目立つものより、地味な色のナチュラルカラーが断然有利だ。
逆に、透明度が低く水がにごっている場合では、ナチュラルカラーでは魚に対してアピールが弱くなるため、派手な色のアピールカラーが有利


天候によって
雨天や曇り空の下では、色調がはっきりとしたアピールカラーがよいが、晴天の時とは逆にナチュラルカラーが好ましい


時間帯によって
日中はナチュラルカラーが基本だが、天候が雨や曇りの時、水色がにごっている場合などには、アピールカラーのほうが有利となる。
朝夕マヅメ時や夜間の釣りでは、魚の目に止まりやすい、アピールカラーにヒットが多くなる。

ベイトによって
フィッシュイーターは、時期や条件などによって小魚などのエサが豊富に出現したりすると、ルアーにはまったく反応を示さなくなることがよくある。
このような場合は、捕食しているエサになるべく近いナチュラルカラーを使うと効果的だ。

4.重さをあらわす単位
重さのことをポンドやオンスで表示することが多い。そこで単位ごとの長さや重さを換算することをマスターしておきたい。
重さ→オンス・ポンド
★1ポンドは0.45キログラム
★1オンスは約28グラム
ポンドは魚の重さを表わす時に、オンスはルアーやオモリなどの重さを表わす時に使われる。
1/16オンス(oz)→1.8グラム
1/8オンス(oz)→3.7グラム
1/4オンス(oz)→7グラム
3/8オンス(oZ)→10.6グラム
5/8オンス(oZ)→17.7グラム
1/2オンス(oz)→14グラム
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